屋久島旅行に当選!−宮之浦岳登山−

山行日

2003年11月上旬。晴れ。

コース名

淀川登山口から宮之浦岳往復(鹿児島県・屋久島)

ピーク

宮之浦岳1935.3m

山行形態

日帰り

コース
タイム

06:25淀川登山口--07:10淀川小屋--08:20高盤岳展望台--08:45小花之江河--09:00花之江河--10:00投石平--11:30栗生岳--12:10宮之浦岳

山行記

屋久島当選?!
 夏前から八ヶ岳に行くぞ!と張り切ってトレーニングをして、最近なまっていた体を鍛え、テントも新調し道具も揃え準備万端。初のキャンプを心待ちにしていたのに、今年の梅雨明けがはっきりせずに、八ヶ岳は夢に終わってしまいました……

 ところが、8月の末に一本の電話がかかってきました。それは、キャンプのための道具を買っていた「石井スポーツ」の店員さんでした。「以前にお買い物いただいたときにキャンペーンに応募したのを覚えていますか? 実は屋久島旅行が当選しました。おめでとうございます!」「ありがとうございます??」とは答えたものの、いきなり旅行が当たりました、おめでとうございますって、誰かだましてるんじゃないの?って思ってしまうのは、このご時世だから仕方がない。でも思い出してみると、買い物をしたときに、抽選で旅行が当たると応募用紙に名前を書いたような気がする……いや確かに書いた!ってことはこれはホント?? 八ヶ岳じゃなくて、屋久島だ。ということで、いきなり全く計画になかった「屋久島宮之浦岳登山2泊3日の旅」に行くことになりました。

乗り物いっぱい
 届いた日程表を見ると、乗り物に乗っている時間がとても多いことがわかりました。羽田から鹿児島まで飛行機で1時間半、そこからバスで1時間かけて鹿児島港へ、鹿児島から高速船「トッピー」で種子島経由で2時間半、やっと屋久島に到着という経路です。この行程を見て木こりは浮かない表情。というのは、木こりは乗り物酔いするたちで、飛行機・船・バスは大の苦手なのです。とても登山どころではなくなってしまいそう。悩んだ結果、仕事が立て込んでいたこともあり、木こりは屋久島を断念。そこで、あぐりママを誘ったところ、あぐりパパ、妹も参加したいとのことで、結局追加で合計4人旅となりました。

屋久島は遠かった(^^;
 千葉から出てくるあぐり両親達とは羽田空港で集合となりました。飛行機での旅行はいつも、木こりの運転する車で羽田に行っていたので、久々の電車での移動に苦労しました。大きい荷物を持っての電車の乗り換えってやっぱり大変と、しみじみ感じました。無事にあぐり両親達に会えて、後は団体旅行の手続きをしていざ屋久島へ!

 添乗員さんから飛行機のチケットをもらい、各自で搭乗手続きを済ませ、鹿児島で集合になりました。手荷物のことで出発前から気にかけていたことが一つありました。登山用のストックは機内に持ち込めるのかということでした。数日前に添乗員さんからお電話をいただいたときにも、そのことを相談したところ、「何かに包んでおけば持ち込めますよ」とのことでしたが、テロ以来、手荷物検査が厳しくなっているのにダイジョブかなーと不安でした。あぐりはストックをタオルで包み、更に使い古しのストッキング(黒色。肌色のにくるんだら、ちょっと変だった^^;)にくるんで、リュックにつけて、止められたらどうしよう、とどきどきしながら手荷物検査へ……。結果は何の問題もなく通過できました。飛行機のチケットに「団体」と入ってるし検査口も「団体専用」って書いてあったから大丈夫だったらしいです。同様にストックを持ってきていたあぐり両親達も問題なく通過して、いよいよ鹿児島へ向かいます。

 鹿児島までの1時間半はあっという間でした。空港で団体旅行の旗を目印に集合してバスに乗り、鹿児島港へ向かいます。鹿児島は夏の様に日差しが強く、半袖でちょうどいいくらいです。移動するバスも冷房をがんがんにいれて、とても11月とは思えない天気でした。九州に初めてきたあぐりは、「やっぱり九州はあったかいんだー」と思っていたら、この日の鹿児島は11月として観測史上最も気温の高い日を記録したということを後で知りました。どうりで暑いわけだ。

 バスの中で遅い昼食をとり、1時間ほどで鹿児島港へ。ここからトッピーで屋久島へ向かいます。トッピーは時速80kmの高速船なので座席にはシートベルトがあるんです! 当然デッキへは出られず、座席にじっとしていなければなりません。そんなに大きな船ではありませんが、海面をすーと走るためか、揺れは殆どありません。これだったら木こりも船酔いの心配なかったなーとおもいましたが、狭い座席にじっとしているのが苦手な木こりには、種子島経由の2時間半はやっぱりしんどいかなーと思いました。

 海に夕日が沈んでしばらくしてからやっと屋久島の安房(あんぼう)港に到着しました。バスに乗って宿へ着いたころには、あたりはもう真っ暗でした。乗りもの酔いに全く縁のない4人でしたが、さすがに「やっと着いた〜」と感じるくらいの長旅でした。屋久島は思った以上に遠かった!

 明日はいよいよ宮之浦岳です。朝5時集合なので、夕飯を済ませ、すぐに床に着きました。

どきどきの宮之浦岳
 朝5時にロビーに集合。登山口までバスで1時間。その間に朝食をとります。もちろんあたりはまだ真っ暗で何も見えません。都会と違って照明が全くない道路はちょっと不気味な感じです。特に山道だとすれ違う車もほとんどありません。すれ違った車はタクシーでしたが、きっとお客さんを登山口まで乗せていった帰りなんでしょう。

 淀川登山口に着いたときもまだ辺りは真っ暗乗ってきたバスのライトだけが頼りです。早速初使用のヘッドライトを着けて身支度を始めました。この行程でのトイレはこの登山口と1時間ほど登った淀川小屋にしかないので、早速トイレ渋滞です。

 今回の登山は31名プラス現地ガイドが2名そして添乗員さん1名を2班に分けて、頂上を目指します。どんな人たちと山へ登るのだろうと思っていましたが、結構年配の方々(^^;であぐり、あぐり妹が最年少でした。準備体操をしていよいよ出発です。出発のころになるとやっと明るくなってきて、ヘッドライトは必要なくなりました。ガイドさんを先頭にあぐり一家は1班の後ろの方について行きました。

 まずは階段からのスタートです。歩き始めは体もあたたまっていないので、のんぴりとしたペースで進みます。途中でガイドさんが植物の説明のために止まってくれます。まずまずの歩きだしです。小さなアップダウンを繰り返しながら淀川小屋までは45分ほどで到着しました。

淀川小屋から高盤岳展望台
 淀川小屋に到着するころになると、すっかり明るく天気は最高! きれいな青空が広がっています。この小屋は約40人収容可能だそうです。最後のトイレなのであぐりも用を済ませ、一息入れようかと思っていると「1班出発しま〜す!」の声。もう出発?! 慌てて集合場所に向かいバタバタと支度をし歩き出しました。団体登山が始めてのあぐりだったのですが、休憩も自分のペースでとれないのが、ちょっとなー。

 ときどき大きな木が空に向かって伸びているのを目にしながら、歩きます。このあたりは、山の中で周りの景色は特にありません。そんなに急なアップダウンもなく、1時間ほどで高盤岳展望台へ到着しました。ここは入り口が難しくよく見ていないと通り過ぎてしまいそうなところにありました。 もちろん今回はガイドさんがいるので、案内してもらいました。大きな岩を登ると少し開けた場所があり、その向こうに山の頂上に大きな岩がのっている「本高盤岳(1,711m)」が青空の中、きれいに見えました。何で頂上にあんな大きな岩があるのか、とても不思議でした。ここでも早々に写真をとり、水分を補給して出発です。やっぱり慌しいよなー(^^;

小花之江河から投石平
 その後しばらく登りが続いたかと思うと急に下りになり、ずんずん進んで行くと、開けたところにでました。ここが小花之江河です。ここは木道であたりは湿原です。少しだけ休憩をして、その先にある花之江河へ向かいます。そっちの方がきれいだからということですが、もう少しみたかったな。

 ゆるやかなアップダウンを繰り返し15分ほどで花之江河へ到着。先ほどの小花之江河よりも広々とした湿原が広がっています。ずーっと山の中で、景色を見ずに歩いていたので、久々にひろい景色をみてリフレッシュ。ここがちょうど行程の半分あたりです。残り半分がんばるぞ!

 ここから次に目指す投石平まで約1時間、またまた樹木の中を登ったり下りたりと、あまり景色はなく進みます。途中木の階段やロープなどもあります。あぐりはこのような障害物?が得意ではなく、とても時間がかかってしまい、渋滞を作ってしまいます。後ろで待たれると余計にプレッシャーを感じてしまい焦るのですが、焦って落っこちたら大変なので、もうこの際気にせずにマイペースで登りました。うーん、やっぱりあぐりは団体登山は向かないかも(^^;

 投石平が近くになるといつのまにか回りにあった樹木がなくなり、景色をみながらの登山になりました。青空も見え、気候もよく気分よく歩けます。またまた難関のロープを越えると今度は屋久笹の中を歩きます。

 少し歩くとまたもやどどーんと開いたところに出ました。ここが投石平です。周りの山々も見えて、また大きな岩がたくさんあり、とても気持ちのいいところでした。ここが頂上でもいいかも^^;と思ってしまうのはわたしだけではなかったと思います。ここで少し休憩。あぐりパパが持ってきていた「ママレードのクラッカー」がとてもおいしくてたくさん食べてしまいました。普段はあまり食べないものも、この自然の環境の中で食べるとおいしくなるものなんですねー。もう少し休みたいところでしたが、出発です。団体行動だから仕方ないかー。

あぐりがモデル?!
 投石平を過ぎるとしばらく緩やかな上り道を屋久笹に囲まれて歩いきます。その後またアップダウンを繰り返し、最後の水場に近づきます。するといつの間にか2人のガイドがやってきて「ちょっと写真を撮らせてくれませんか?」とのこと! 何で?? と聞いたところ、こんなに天気のよい日は珍しいそうで、パンフレット用の写真に使いたいとのことでした。あぐり妹とあぐりがモデルとなり、水場で手で水をすくって飲んでいるところをデジカメでバシバシ撮られました(^^)「いやぁ〜、参ったな〜」なんて思いながら飲んだ水が美味しかったこと。少し歩いたところで、また1人のガイドがやってきて「もう一度撮らせて下さい。今度はお一人で」とわざわざあぐりのところにやってきました。一人ならあぐり妹の方がいいのに、とちょっと遠慮してみると「半袖の人がいいんです」との答え。確かにあぐり妹は長袖シャツを着ていて、このツアーで半袖はあぐりと数人のおば様おじ様だけ。半袖で選ばれたのか……。喜んでいいのかな

最後はばてばて!
 歩き続けて4時間半いよいよ最後の登りです。ここからはかなり急な上り坂です。ただ視界は開けていてとても気持ちがいいです。目の前に頂上も見えます。しかし息が切れてなかなか思うように進みません。だんだんと列も長くなり、自分のペースで登るようになってきました。あぐりも途中休み休みでで何とか登り頂上到着!! やっと着いた〜しかし息は切れるし、脚はガクガク。そうそうに座る場所を見つけ一休み。

 頂上は意外と狭く登っているときに見えたように、岩がごろごろしていました。すぐにあぐり妹、ママ。そして途中で膝を痛めたパパも無事登頂!! 雲が少し出始めていたもののとても天気がよく気持ちがよかったのですが、休憩時間が短く、写真をとる暇があまりなく、とっても残念でした。頂上の景色、雰囲気、空気を楽しむためにがんばって登ってきたのに、それができないなんて……。 ガイドの方曰く暗くなる前に下山したいからとのことで、私達の安全のことを考えて下さっているのはわかるのですが、ちょっとがっかりでした。

 昼食用に配布されたお弁当はおにぎりとから揚げなど。申し訳ないのですが、あまり食べる気がしなかったので、もってきたバナナにみかん、それから以前は口にあわなかったのですが、「いざと言うときに」持ってきたウイダインゼリーを食べました。これが美味しい!少々重くてもやっぱり非常食は持ってこなくちゃだめだなーとつくづく思いました。

 下りはあぐり一家が先頭です! 登りがずーっと後ろの方だったし、パパの膝の調子があまりよくないからです。しかし相変わらずペースは速い^^;しかしガイドさんのすぐ後ろなので、ペースは作りやすいですけど。後から聞いた話ですが、あぐり達だけでなく、多くの人がペースが早いと感じていたそうです。だよね〜やっぱり。あんなに苦労して登った最後の上り坂を一気に下り、振り向くと長い列が頂上から続いていました。もう終わりかとさみしく思いながら、行きに休みをとった場所で休憩しながらの下山です。

 淀川小屋を通りかかると、数人の人が宿泊の支度をしていました。明日宮之浦岳を目指すんでしょう。

 途中に登りもありますが、くだりはやっぱり楽ちんでした。特にわざわざもってきた登山ストックのおかげで、下りが苦手なあぐりも余裕です(^^)とはいうものの、5時間近く歩き、5時すぎに登山口に戻ってきたときにはへとへとでした。ただみんな怪我もせず、無事に下山できたのでよかったです。

筋肉痛
 翌日は屋久島観光を少しして、行きにきたルートで東京へ戻る予定です。朝起きたときから既にものすごい筋肉痛になっていました。昨日の夜は何でもなかったのに、脚が痛くて、特に階段の上り下りがツライツライ。1階くらいなら普段は階段を利用するあぐりですが、エレベータどこだっけ? と情けないありさま。あぐり妹、ママに聞いても何でもないとのこと。パパは痛めた膝が少しいたそうでしたが、筋肉痛はないとのことでした。一番元気だと思っていたあぐりでしたが、一番バテテしまったようでした。来年の八ヶ岳に向けてまだまだトレーニングが必要だと実感しました。

 千尋(せんぴろ)の滝、大川の滝、中間ガジュマルなどを見学し屋久島を後にしました。本州と違い、南の国らしい草花がたくさんあり、また沖縄とは違ったのどかな雰囲気の島でした。

木こり

今回は初めてあぐりが絵日記を書きました。いかがでしたか?