鬼怒川水系の渓流釣り

日 時

2002年8月上旬(7:00〜14:00) 晴れ 

場 所

鬼怒川水系の小さな支流(栃木県)

釣 果

イワナ(25cm)×1、ヤマメ(15cm)×1、チビヤマメ数匹、ウグイ(20cm)×3、チビウグイ10数匹

釣行記

林道のダートを走りに
 木こりとあぐりは日帰りで鬼怒川水系の某支流に渓流釣りにでかけました。新車のレガシィ・ランカスターでダートの林道を走ってみたいので、まーこの暑さじゃあ釣れないだろうなあ、まあ、ドライブのつもりで、とか言いながらの出発です。ここは木こりのホームグラウンドのいくつかの支流のひとつです。5月のGWにいった渓とは別の支流です。こっちの渓は魚影では劣りますが、併走する林道がほとんどダートなのでランカスターの性能テストにはもってこいだと思ったのです。

 東京を朝4時ごろ出発して、いつものように東北道佐野S.A.で朝食の「佐野ラーメン」を食べました。前回のときは「味が落ちた」という印象だったので、今回はどうだろうと思っていましたが、まあ前回よりはマシだったものの、やはり以前に比べて味が落ちている気がします。どうした「佐野ラーメン」。

 日光宇都宮道路を今市I.C.で降りて、後は一般道を山へ。6時半頃現地到着です。渓沿いの林道を登っていくと、やはり最低地上高の高い4WDはちがうなー、深くえぐれた轍(わだち)を走っても車体の腹をこすることがないし、ぬかるみや、落石ごろごろの道でも、これまでのステーションワゴンのようにすべることはありません。まさに山釣り師のための車です。

猛暑の山釣り
 林道が渓と離れる地点まで、先行者の車は見当たりませんでした。しめしめ。駐車スペースに車を置いてそそくさと身支度を整えます。腿までのウェーダー履いて、木こりはベスト、あぐりはデイパックを背負います。腿までのウェーダーは車でちょこちょこ移動しながらの渓流釣りには手軽で便利です。入渓点からちょこっと藪こぎして、いきなり大場所のナメ滝の下に入りました。天気予報によると今日はこの夏一番のうだるような暑さになるとのこと、林道は既にそのとおりの状況ですが、渓に降りるとさすがに空気がひんやりとしています。水量が心配だったのですが、水はコバルトブルーに澄んでいて、水量も問題ありません。

 今日はあまり釣れないだろうと思っていたので、仕掛けは0.125号の通し、鈎は「零釣法」用の極小のものを使用しています。竿は3.6m〜5.6mのズーム。通常は3.6mの仕掛けを付けますが、大場所用には竿の長さいっぱいのも用意しています。ここでは大場所用を結び、ガン玉は5号程度、エサはまずはブドウ虫。滝つぼの手前のヒラキに身をかがめて慎重に投入します。ここはヒラキの部分によく魚がいて、いきなりザブザブ入ると足元からイワナが走ってしまうのです。2、3投目でガツガツッというイワナっぽいアタリが出ました。来た! と思ったのもつかの間、鈎がかりしません。同じ筋を何度も流しても、もうアタリはありません。スレてるなあ。

 何歩か前へ出て今度は滝つぼの核心部を狙います。落ち込みの白泡の中に投入します。オモリが軽いので、まずはそのままいっきに滝つぼの尻まで流されますが、しだいにオモリが沈んでゆっくりと底波の反転流に乗ってきます。滝つぼではこの底の反転流にうまくエサが入ると食う確率が高くなります。すると、これもいきなりガツガツっとアタリ、しかしすぐに外れてしまいます。鈎が小さすぎたかもしれません。これも同じ筋や、筋を変えて何度も何度も流しますがもうアタリません。あぐりに交代して、その間に川虫を探します。手ごろなクロカワ虫が見つかりましたが、これを使っても反応はありません。やっぱりスレてるなあ。

 ふと足元を見ると、木こりが立ちこんでる足から2mくらいのところの浅場にイワナがスーっと来て岩陰に定位しました。あぐりに「いるいる」って指さして、その近くにエサを流してみますが、見向きもしません。やっぱりスレてるなあ。

 滝つぼをあきらめて、小規模な淵を狙いながら入渓点に戻りますが、これも最初にガツっとアタリが出て鈎がかりせず後は無反応、の連続でした。鈎が小さすぎるような気がします。アワセると鈎ごと口から抜けてしまうのではないかと思います。もうちょっと大き目の鈎も持ってくるべきでした。渓から林道に上がると、空気がムワっとして、さすがに8月の渓流釣りの風情。いったん車に乗り込んで、下流のもうひとつの滝のところに移動しました。

やっと釣果が
 落差5mくらいの小さな滝ですが、ここも木こりお気に入りのポイントです。滝つぼの白泡が消えるあたりにポトリと投入して、仕掛けを沈めて、上流に還る反転流に乗せてやります。小さな滝つぼですから、当然水面はものすごい勢いで下流に流れていますが、そこを目印が上流に向かって流れて行くのは面白い光景です。渓流釣りをするまで、滝つぼの中がそういう構造になっていることを知りませんでした。知ったからどうということはありませんが、こういう自然の仕組みを知ることも釣りの喜びのひとつです。

 ここも2、3投でアタリが出ました。やはり最初は鈎がかりしませんでしたが、アタリがあってもしばらくアワせずに待ってみたら、待望の1尾が来ました。リリースサイズではありましたが、パーマークのくっきりしたキレイなヤマメです。筋を変えながら同じように流すと、2、3投ごとにアタリが出てチビサイズのヤマメがちょこちょこ釣れて、15cmを超える塩焼きサイズも1尾だけですが出ました。

 「今日はここでチビと遊ぶしかないかな」と思っていたら、目印がすーっと横走りして止まりました。お、これまでと違ったアタリ! 手首を返して軽くアワせると、重たい感触。動かないけど根がかりとは違う「やわらかさ」があります。次の瞬間、ぐいぐいと引きはじめました。イワナだ! 結構でかいんじゃないの?! 慎重に川原にずり上げてみると、25cmのよく太った岩魚でした。この渓でこのサイズが出ればもう言うことはありません。大満足。そのイワナが大暴れする動画です。WMVファイルが再生できる方はご覧ください。今回のはちょっとサイズがデカくて769KBあります。

 しかし、今日は仕掛けが細いのでちょっとした根がかり等でも切れてしまいます。木こりのウデでは0.125号はちょっと苦しかったかな。いつもは0.2号とか0.175号くらいなのですが、わずかな差がかなり響きますね。用意してきた仕掛けを結構消耗してしまいました。

 あぐりもここでチビヤマメを何尾か釣りました。

隣の峪に移動
 まだ釣れそうではありましたが、チビが多いので、車に戻って隣の渓に移動することにしました。ここは5月のGWにいった渓です。いつもの入渓点に車をおいて、峪に入ります。前回イワナを上げたフチで今日はグッドサイズのウグイがいきなりかかりました。この魚、本当にウグイ(ハヤ)かなあ? 腹に黒い一本線があるところなど「カワムツ」ってやつにも見えるのですが、カワムツは関東にはいないはずだし(ご存知の方は、おそれいりますがこちらで正解を教えてください)……それはともかく、どうもヤな予感。こっちの渓は水がかなり濁っていて、しかも「コケ」のにおいがします。 木こりは水草水槽をやっているので、コケのにおいには敏感です。間違いありません。川が富栄養化しています。

 不安を感じながらも高巻きして下流に移動します。夏場は蜘蛛の巣が多くて、藪こぎの高巻きはけっこうしんどいものです。葉が茂っているせいで川筋に降りる地点を見落として、藪の中を行ったり来たりして、やっとこの川最大の大渕に降り立ちました。前回もこの淵ではウグイしか釣れていません。今日は、まずルアーからということで、あぐりのリュックからルアー竿の登場です。あぐりが地味めのスプーンを投げてみると、メダカくらいのハヤの赤ちゃんが群れをなして後を追ってきます。「追われるルアー」じゃなくて「群れのリーダー」って感じ(^^; こんなチビたちが元気にしてるってことは、それを食うサイズのやつはいないってことでしょうか。エサ釣りでも顔を出すのはチビハヤ君たちだけでした。

 その後、「木こり必釣の淵」も良型ウグイ(もしくはカワムツ)しか登場せず、結局この川では渓流魚の顔を見ることはできませんでした。昔はこんな川じゃなかったんだけどなー。水質悪くなったのかなあ。お腹が空いたので昼すぎに納竿としました。

花火見ながら塩焼き
 鬼怒川温泉のファミレスで昼食を取って帰宅。夜はイワナとヤマメを塩焼きにして食べました。塩焼きにする前に料理酒に2、3分漬け込んでおくと風味がよくなり臭みも消えます。いちどお試しください。今夜はちょうど江東花火大会で、自宅のベランダから見ながら釣果をぱくつきます。しかし、あいにく風向きが悪くて花火の煙がこっちに流れて来るので、あまりよく見えませんでした。ともあれ、これが真夏の渓流釣りだなあ。

あぐり

今年の夏休みは、始めから調子が良いのー!この調子でガンガン釣るぞ(^^)