テント山行予行演習−大日小屋テント場−

山行日

2003年8月上旬。曇り時々晴れ。

コース名

瑞牆山荘から大日小屋往復(山梨県)

ピーク

今回は山頂なし

山行形態

マイカー日帰り

コース
タイム

瑞牆山荘09:05--09:55富士見平小屋(小休止)10:05--11:20大日小屋(テント設営)14:50--15:40富士見平小屋(小休止)15:55--瑞牆山荘16:25

山行記

日帰りテント予行
 今年は待ち望んでいた梅雨明けが8月にずれ込んでしまいました。梅雨が明けたといっても週間予報の天候はいっこうに安定せず、このままではいつ八ヶ岳に突入できるかわかりません。また、木こりたちの共通の休日も2日続きで取れず、テント泊の予行演習もなかなかできません。新しいテントを背負って山道を登る訓練がまだまったくできていません。このままではマズい! ということで、日帰りでテント山行の予行演習をすることにしました。

 1泊テント山行と同じだけの荷物を背負って、テント場まで担ぎ上げてテント設営、コンロとコッヘルで食事を作って食べ、テントで昼寝。起きたらテントを撤収して下山します。余裕があればテントに荷物を置いて近くのピークまでデイパックだけ背負ってピストンする予定です。

 トレーニングフィールドは前回行った奥秩父。標高1500m強の瑞牆山荘から1800m強の富士見平小屋までの標高差300mは前回の瑞牆山登頂と同じルート、約1時間の登り。時間と疲労によっては富士見平のテント場に設営する。ここから北に向かうと瑞牆山に向かいますが、今回は体力に余裕があったら富士見平から東の金峰山方向に更に1時間登り、標高2040mの大日小屋のテント場で実地訓練の予定です。更に時間・体力があれば荷物を置いて更に30分登った大日岩まで往復してみようということになりました。ここは、駐車場から1時間きざみで2つのテント場があるので、こういうトレーニングには最適です。

 ちなみに、地図は「カシミール」で作ったものです。

新装備「ストック」で楽々!
 自宅を05:10ごろ出発。首都高から中央道に入って談合坂S.A.のリトルマーメイドの焼きたてパンで朝食をとりました。夏休みの週末とあって早朝なのに交通量が多く、サービスエリアも満車に近い状況です。本線も渋滞とまではいかないもののスピードが出せません。須玉I.C.で降りて増富ラジウムラインを山に向かい、増富温泉を過ぎて瑞牆山荘に到着したのは8:30を過ぎていました。前回と同じ広い公共駐車場(無料)に車を置いて、荷物を整え、登山靴を履きます。トイレも済ませ、簡単に準備体操もして、歩き出したのは9:05でした。

 今回は二人とも65Lの大型ザックを背負っています。木こりのは10kgちょっと、あぐりのは8kgくらいの荷物です。今回初めて登場した装備としてストック(ハイキング用杖)があります。これまで二人とも山行に杖を突いたことはなかったのですが、これまで周囲の登山者を見ていてスキーのストックのような杖を持っている人が多かったので、今回試してみることにしたのです。秋葉原ニッピンでセールをやっていたときに買いました。

 歩き出してみると、重い荷を背負っているのにも関らず、前回の山行より全然楽です。最初の10分で休憩を取ったときも、まったく息があがっていないし、汗もかいていません。今日は比較的涼しいということもありますが、それにしても歴然たる違いです。これまでのトレーニングの効果ということもあるでしょうが、今回順調な最大の要因はストックだと思います。これを軽く突きながら歩くだけで、足にも膝にもものすごく楽でした。おどろくほどの効果です。デイパックのときと変わらないコースタイムで富士見平小屋に到着しました。しかも、終始話をしながらの余裕の登りです。

この勢いで大日小屋へGO!
 富士見平で小休止して、日帰りとはいうもののテント場を使うのだからということで、いちおう小屋番さんに二人分のテン場代1000円を払って鑑札をもらいます。大日小屋は無人なのでそっちの料金も含めてこの富士見平小屋で管理しているのです。 ちなみにここはドコモの携帯が使えます。きっと混んでるぞー、って言ってたのですがテン場にはまだ2、3張りのテントがあるだけでした。

 あぐりに「大日小屋まで登る?」と聞くと「私は大丈夫だよ」という頼もしい言葉。それではということで、左上の写真のような金峰山への登山道を登っていくことにしました。緩急とりまぜたアップダウンで飯森山を巻きながら大日小屋まで登ります。瑞牆山に登ったときはたくさんの人とすれ違ったのですが、金峰山への道は時間帯のせいか誰もいません。そういえば登山口に「熊が出没しています」の新しい張り紙があったのが思い出されます。静かなのはいいけど、あんまり人っ子ひとりいないのも、それはそれで不安(^^;

 しかし、今回の山行では、さまざまな高山植物が競って花をつけていて、夏山の気分を十分に堪能することができました。

大日小屋でテント設営訓練
 さすがに途中から二人とも言葉少なになって、「疲れてきたね」「もう着いてもいい頃なんだけどなあ」などと言い始めた頃、参考コースタイムより若干ゆっくりめで大日小屋に到着しました。やった! 標高差500mをテントを担いで登れた!

 大日小屋は登山道の下にありました。小屋の左が水場で、右がトイレです。小屋に降りる道がちょっとしたスラブ状の岩になっていて滑りそう。 水場は富士川支流の源流のひとつだそうです。清冽な水が流れる小沢で、富士見平の水場ほどの豊富な水量はありませんが、ペットボトルの水筒をかまえればまたたくまにいっぱいになる程度の水量でした。

 テント場は逆に登山道の上でかなり狭め、快適に幕営するなら数張りくらいでしょうか。まだ誰もいません。ダケカンバ林の中のテント場はとても雰囲気がよく、ここに一泊して金峰山往復するのもいいなあと思いました。木漏れ日につつまれた個室状のテントサイトをみつけて、そこにテントを張ることにしました。ちなみにこのテン場はドコモ圏外でした。

 テント設営・食事訓練(^^;の様子は、別のページにまとめましたのでごらんください。

テントで昼寝 ZZZ……
 テントをたてて食事をしたら、急に眠くなってきて、大日岩ピストンはやめにしてゆっくり昼寝して下山しようということになりました。ピークハントにこだわらないのも「あそび釣り」流です。テントの中で寝てみると、ほんのわずかな傾斜も気になります。特に頭が低くなると辛い。そういえば昔テント泊したときもそうだったよな、といろいろ記憶がよみがえります。シュラフを枕にして横になると、鳥のさえずりがよく聞こえました。風の音も聞こえます。

 それから、ここへ登ってくる途中ではほとんど出会わなかった登山者ですが、テント場にじっとしていると、来るわくるわ、オバちゃんたちの団体、おじさんのグループ、若者のグループなど、次から次に現れて一休みして行きます。みんな歩いてハイになっているからか、その声の大きいこと。テントは音については筒抜けですから、結構うるさい(^^; まあ、昼間から寝てるほうが変わってるんですが。

 普段寝つきのいいあぐりは結局寝られなかったそうですが、逆に普段寝つきの悪い木こりはガーガーいびきをかいて寝てました。自分のいびきで目が覚めると、そろそろ14時近い。あまりゆっくりしていると帰りが遅くなっちゃうので、ぼちぼち帰らないと。

 テントを撤収して、荷物を整理して、小屋のトイレに行ったりしているうちに、またたくまに15時近くになってしまいました。 撤収時間は多い目に見込んで置かないと……。こういうことが事前にわかるのも、予行演習のメリットです。ちなみに、大日小屋のトイレは昼でも扉を閉めると中は真っ暗で、しかも便器があるわけではないので、今にも足を踏み外してバッチイところに落っこちてしまいそうでした。ヘッドランプ必携です。

下りも意外に楽勝
 重い荷物を背負っての下りは心配していたわりに、やはりストックのおかげでかなり楽に歩けました。ただ、富士見平に着いたら、ストックを握っていた木こりの右手のひらの皮が直径1cmくらいむけていました。足のまめでなく手の皮がむけるなんて意外でした。木こりはストックをにぎるとき、クッションの着いているにぎりの部分でなくプラスチックむき出しのトップ部分を掌に当てるようにしていたからだと思います。やっぱり予行演習は大切です。ヒリヒリする手に絆創膏を貼ってテーピングして下りました。写真は前回来たときにあぐりが滑った瑞牆山荘近くの岩です。こういう、なんでもなさそうなところが一番危ない、という自戒をこめて記念に撮っておきました(^^;

 帰りはまた日帰り温泉「増富の湯」に寄ってゆっくりと汗を流しました。ちょうど夏祭りイベントの日に当たったらしく、二人が風呂から出てきたら、入口前の広場では歌謡ショーのリハーサルの真っ最中でした。 「青江三奈ショー」という文字が目に入ったので「伊勢崎町ブルースなんかでお馴染みの往年のブルースの女王がこんな山村の村祭りに来るのか!」とびっくりしてよく見てみたら、そうじゃなくて「青江奈々ショー」でした。そっくりさんだそうです。

 夕景の増富の里に、背よりも高いヒマワリが満開になっています。木こりには少年の頃の夏休みがふと思い出されました。

あぐり

初めて大きいリュックを背負ってストックをついて登りましたが、バテルことなく「行けるかも!」っと自信がつきました!(^^)!