網代の海上釣堀

日 時

2003年12月下旬(11:10〜12:50)、快晴

場 所

網代「筏釣り東海」(静岡県)

釣 果

マダイ(28〜35cm)×4、メジナ(15cm)×1

釣行記

3ヶ月ぶりの釣り
 9月後半から約3ヶ月、木こりは仕事が忙しくて週末も満足に休めない状態がずっと続いていました。それが一段落した12月、あぐりが「温泉行きたいねー」と言って、木こりがISIZEじゃらんで伊豆高原のペンションを予約して、週末の1泊旅行に出かけました。
 今回はとにかく温泉でのんびりというのが主目的。そこで、1日目はゆっくり家を出て早めに宿に入って温泉につかり、翌日に網代の海上釣堀でちょっとだけ釣りをするという計画です。

初日は雪まで降る強風の一日
 関東地方の天気予報は悪くないものの、それ以外の日本全国は大荒れの大雪という予報の土曜日。東京を発ったときは晴れだった天気も伊豆半島にさしかかったあたりで強風に加えて雪になってきました。伊豆で雪に降られたのは初めてかもしれません。真鶴あたりでは一瞬吹雪かというような降りになりました。とはいえ、いくつかトンネルを越えるうちにウソのように晴れて、熱海の街を過ぎたところにあるホテルニューアカオのハーブガーデンでいつものようにラベンダーソフトを食べて、あとは(寒いので^^;)何もしないで伊豆高原に向かいました。
 宿は大室山の南麓にある「森の妖精」という、ちょっと気恥ずかしくもある名前のペンションです。感じのいいご夫婦が経営していて、大理石風呂と岩風呂が貸切できるところが嬉しい宿です。木こりとあぐりは夕食までの間、両方の風呂に出たり入ったりしてのんびりと、そしてだらだらとすごしました。これがオトナの休日ってやつかもしれません。

筏釣りの東海
 翌日はゆっくりチェックアウトしてそのまま熱海方面へ。昨日の雪がウソのような雲ひとつない快晴で、国道135号線からは雪をかぶった真っ白な富士山がよく見えます。今日行く予定の筏釣りの東海に電話してみたら、今日は風もなくてベタ凪とのこと。「空いてます?」と聞いたら「今は空いてます。12時から団体が入るけど。今どこですか?」「今川奈あたりだから、これから行くと11時から1時間くらいかな」「それなら大丈夫」とということで、網代港へ急ぎました。ちょうど11時ごろに網代港に到着し、魚市場に向かうと「東海」の人がにこやかに迎えてくれました。

 市場の建物の中に駐車させてもらって受付をすませて、一人分の1時間の釣り放題料金5000円と見学者の入場料300円を払って、渡船で生簀に向かいました。ちょこっと遊び釣りですから2人で1万円払うというのもナンなので、あぐりは見学ということにしました。途中もう1軒の海上釣堀「漁師小屋」が見えました。けっこうにぎわっています。↓漁師小屋にはファミリーコースとマニアコースがあって、ファミリーのほうはマダイとアジがターゲットで2時間4000円(渡船込み)。ただしマダイ2尾までアジ10尾までという尾数制限があって、それ以上釣ると別途買取となります。東海はマダイとアジ以外にもいろいろ入っていて30分2500円、1時間5000円とやや割高だけど釣り放題で追加料金なし。ということで迷った結果、今回は「東海」にしてみました。(なお料金は2003年12月現在)

まず1匹!
 東海の生簀に着くと、写真のように筏のまわりに魚の入った生簀が接続してある形でした。これは広くて快適だ。あぐりも「これなら怖くない」と言っていました。まず貸し竿(無料)とクーラーボックスを借りて、エサのオキアミをもらって、やり方のレクチャーを受けます。「タナは3〜4m、エサが上から見えるか見えないかくらいのところです」ということで、誰もいない側の生簀のフチに立って、早速投入します。仕掛けはミャク釣りの1本鈎でミチイトは蛍光色、ハリスは3〜4号くらいのぶっといものでした。海上釣堀には海上釣堀の独特の仕掛けがあるのですね。なるべく生簀の向こう側に投入して、エサのオキアミが見えなくなるまで沈めて、あとはオモリの重さで竿下まで振り子状にさぐってきます。エサが竿下に入ったら、少し巻き上げたりして誘いもかけてみます。
 そうしたらいきなりきました! 竿先がぎゅんと下がって、ひさしぶりの魚の感触です。「おー、突っ込む突っ込む!」重量感のある引きはマダイです。あぐりがカメラを構えます。エイヤっと抜きあげると、筏の上にバタバタバタと魚体がころがります。35cmくらいある立派な一尾でした。ボート釣りではこんなデカいのは釣ったことがありません。さすがは生簀(^^;

団体に場所ゆずって時間延長
 ところが、その後が続きません。他のグループの人たちもぱったり釣れなくなりました。満潮時間はもう少し先のはずなのですが、もう潮どまりかな? あぐりに交代してみましたが、やっぱり反応ありません。あと10分くらいで制限時間です。このまま鯛1匹で終わりか、とがっかりしかけたところへ、渡船がやってきて木こりたちを呼んでいます。あれ? もう時間? ちょっと早いけどなあ、と思って行くと、「これからここに団体が入るんで悪いけどあっちの生簀に移動してくれる? あっちなら空いてるし時間も考慮するから」ということで、荷物を持って船に乗って、少し離れたところにある別の生簀に案内してもらいました。「じゃあ、12時40分までね」、ラッキー! 30分も延長してくれた。
 早速、エサを投入。生簀の角度のせいか、今度は生簀の底まで日光が差し込んで底のネットまで完全に丸見えです。エサが沈んでいくと、小さな魚影の群れがワーっと集まってきます。鈎の周りに集まってオキアミをツンツンついばんでいます。手元にアタリも出ますが、アワセてもかかりません。よし! こういうときのために持ってきた秘密の小箱の登場です。小さなタックルケースに各種ハリス付き鈎、鈎はずし、ハサミ、プライヤー、板オモリなどを入れて持ってきているのです。貸し竿で釣るときでも、これくらいの小道具をもっていると仕掛けの微調整ができるのでずいぶん違います。貸し竿に付いていた鈎とハリスをはずして(貸し竿の鈎・ハリスはスイベルにサルカンで接続してあるので、すぐはずせます)、かわりに流線9号金色のハリス2号という少し繊細なものに交換します。これを投入したところ、エサ取りの群れが寄ってきて、ついばんだとたんにググっとかかりました。狙い的中! あげてみたらエサ取りは小メジナでした。実に綺麗な青い魚体です。「これ、結構美味しいんだよ」とあぐりに言ってクーラーボックスへ。「よし、もっとメジナ釣るぞ」そういって浅ダナで小メジナ狙いをしたのですが、上手にエサだけ取られて2匹目がかかりません。

最後に時合い?
 今度は同じ鈎で仕掛けを底まで沈めてしばらく放っておきました。ネットに鈎がかかるといけないので大きめのオキアミで針先まで完全に隠します。鈎からはずれたオキアミが底に落ちたところ、といった感じの心もち(^^; そうすると、大きめの魚影がすーっと寄ってきて、しばらく周りをうろうろして迷っていたかと思うとパクっと食いました。やった! もしかして演出が当りだったのかなあ。久々にマダイを追加です。最初のよりは小ぶりですが赤くてきれいな魚体です。この「落ちたオキアミ」作戦でさらにもう1匹マダイをあげたところで、そろそろ時間です。仕掛けを元ついていたものに戻して、でも、まだお迎えの船が来ないので、じゃあ、もう少しということでエサ付けて投入をしばらく繰り返していたら、制限時間より10分以上遅れて岸からこっちに向けて東海の船が向かってきます。その船が筏に着くまでのほんのわずかな間にまた1匹マダイがかかりました。全部でマダイ4匹。「漁師小屋」だったら買取金額が発生しちゃうところでした。

おみやげがどっさり!
 ずいぶん時間オマケしてくれたなあと思って岸に戻ったら、「ごめん。迎えの時間忘れちゃってた」だって。たいへんよいことです(^^; なんだかんだで結局2時間近く釣らしてもらったかもしれません。今回は天候も荒れる予報で釣りができるかどうかわからなかったのでクーラーボックスも持ってきていません。発泡スチロールの箱に魚と氷を入れてもらいます。箱代は400円。
 箱のわりに中身が少ないのをあわれに思ってくれたのか、「焼くと美味しいよ」と言って35cmくらいのサバを5匹、20cmくらいのイサキを5匹、スチロール箱に入れてくれました。東海の人たちはみんな、感じもいいし、気前もいい。おかげで上の写真の箱が最後には右の写真のようになりました(^^; なんだか今日はむちゃくちゃ得をした感じ。「すみませんねー。ありがとー」とお礼を言って、網代港をあとにしました。

釣果は3日分の晩御飯
 家に帰って、さっそく魚をさばきにかかります。鯛はお造りと潮汁、サバは塩焼き、しめサバ、唐揚げ、メジナとイサキは唐揚げです。それでもあまったサバとイサキは干し網をベランダに吊るして一夜干しにしました。食べきるのに夫婦ふたりで3日かかりました。鯛を4匹もおろしたので、三枚おろしがかなり上手になりました。木こりは魚の皮を引くのが苦手だったのですが、今回完全にコツをつかめました。ついでに「真鯛の三枚おろし」のページを作っておきました。
 秋までの網代なら絶対ボート釣りをするところですが、寒い時期でも釣果がほぼ確実で旅行のついでに手軽に遊べる、という点では、海上釣堀も冬場の釣りとして押さえておいていい選択ではないかと思います。

あぐり

今回は釣りはしなかったけど、見てるだけでも十分楽しめました(^^)久々に海風に吹かれてきもちよかったです!