北海道の釣り -Vol.2-

日 時

2003年9月上旬(11:00〜13:00)、晴れ

場 所

羅臼港(北海道)

釣 果

ガヤ(8〜25cm)×たくさん、カレイ(25cm)×1、クジメ(22cm)×1

釣行記

「知床の釣り」午前の部は海編
 北海道旅行の2日目、木こりとあぐりはウトロ温泉のホテルを出て知床横断道路を羅臼に向かいました。今日は午前中に羅臼港で堤防釣り、午後は時間があったら羅臼川で渓流釣りの予定です。事前にネットで調べて、どうやらこのへんの堤防ではガヤ(エゾメバル)が簡単に釣れるらしいということがわかっています。今回はがんばってウェーダーまで担いできたついでに、海・川・エサ・ルアーどんな釣りでもいちおうできるだけの道具を持ってきています。

知床横断道路は感動の連続
 知床横断道路は日本百名山のひとつ羅臼岳(1661m)を左手に見ながらオホーツク海から太平洋を目指す快適な峠道です。快適といえば北海道の山中の道はどこも道幅が広くきれいに舗装されていて、公共事業の充実ぶりを垣間見ることができます。雪に閉ざされる冬の間はできない道路工事もあちこちで盛んに行われており、今回の旅行でも何度も何度も片側交互通行を経験しました。公共事業を誘致して地元に現金収入をもたらしてくれる政治家は、こういうところではやはり重要な存在なのでしょう。
 今回の旅行では登山は計画していませんでしたが、気にはなっていました。羅臼岳の山容を見て、登山計画立てなくてよかったと木こりは内心ほっとしました。ボリューム感のある堂々たる姿の羅臼岳は、見上げると山稜の傾斜が45度以上ありそうなものすごい急斜面です。
 知床峠の展望台で居合わせた人に頼んで、羅臼岳をバックにツーショットの写真を撮ってもらいました。展望台からは太平洋が見下ろせます。羅臼のすぐ間近の対岸にクナシリ島が見えました。本当にすぐ間近にありました。「あそこがロシアだってのは、やっぱり納得いかないよね」とあぐりに話しました。日本は島国だから国境というものの実感がありませんが、ここに来ると、北方領土問題が身近に感じられます。

 知床峠を羅臼側に少し下ったところで一台の車が停車していました。運転手がサンルーフから身を乗り出してカメラを構えています。おや、っと思ったら巨大なオス鹿の姿が見えました。それ! と木こりもデジカメを片手に車から飛び出します。立派な角を持ったエゾシカのオスです。近づくと少し逃げますが、さほど人間を警戒していない様子です。今回の旅行では車窓から何度もエゾシカの姿が見られましたが、最初に見たこの堂々たるオスの迫力は他を圧倒しています。写真とりまくりのビデオ撮りまくりで、あぐりともども大感激でした。

羅臼でイソメを求めて
 羅臼の町に着きました。海のほうから濃霧が這い上がってきて風景を白く包んでいます。まずは漁港の岸壁に行ってみました。車を置ける場所はたくさんあります。手ごろな堤防もありました。でも「この場所でサケ・マスを採捕すると罰せられます」といった看板が立っています。サケマスを狙ってなくても釣りしてるだけでとがめられたりするのかなあ、とちょっと心配になりました。できれば釣具屋を見つけて、そういう釣り場や釣り方に関する情報を聞いたりイソメとを手に入れたりしたいところです。

 車で羅臼の町を行ったりきたりして探したのですが、釣具屋も遊漁の釣り宿のもついに見つからず、ハタと思いついたのが役所の観光課に聞いてみるという手です。地図で羅臼町役場を探して早速「商工観光課」をたずねました。観光課の方に、羅臼港でガヤを釣りたいが問題はないか、と相談してみたところ、「釣り禁止ではないから大丈夫ですよ」とのこと。「もしマスがかかっちゃったらどうなるのですか?」と聞いてみたら、「それはちょっと難しいところですが、仕掛けも違うからまずかからないと思いますよ」とのお答え。また「羅臼港にかぎらず、このあたりの漁港はどこでもガヤが釣れますよ。どこの漁港でやっても大丈夫です」ということで、親切にいろいろと教えてくれました。釣具屋さんの場所も教わりました。ただし「エサなら釣具屋さんでなくても道の駅でイカかサンマを買ってきても十分釣れますよ」とのこと。わからないことは役所に聞くに限ります。ただし、この手が使えるのは平日だけですけどね。

 役所で教わった釣具屋さんは「阿部スポーツ店」という店で、漁港にありました。ちょっとわかりにくい場所ですが、漁協の建物のそばで、岸壁側から2本目の一方通行の道沿いです。「すみませーん」と声をかけると奥さんらしい人が出てきて、ガヤを釣りたいというと色々教えてくれました。「がやがやうるさいくらい釣れるんでガヤって言うんですよ」「巡視艇のある堤防で釣れますよ」「カレイもいますよ」ということで、生イソメ550円を1パック買いました。他に塩イソメもあるそうで、生きエサをに触りたくない人はそっちのほうがいいかもしれません。

白灯堤防で入れ食いスタート!
 教わった右の白灯堤防の付け根に車を置いて(ここにはトイレもありました)、釣り道具を持って海上保安庁の巡視艇を停泊してある堤防を進みます。ちょうど釣竿を持って帰ってくる老人とすれ違ったので「釣れました?」と聞いてみたら「だめだね」とのこと。ちょっと不安になります。巡視艇の先でサラリーマン風の二人連れが釣り糸をたれています。「こんにちは。釣れますか?」と声をかけたら「さっき来たばかりで」「全然つれませんね」とのこと。変だなあ、今日はだめなのかなあ、そう思いながら堤防先端を目指します。他に釣り人は一人もいません。白灯台のある先端も貸切状態です。

 先端にザックをおろしてそそくさと準備します。ウルトラライトのルアー竿にブラーをつけてイソメを1匹なりで装着して、久々のヘチ占い足元にポトンと落とします。するといきなりブルブルっと来てあわてて上げてみたら、なんとカレイ! 水面から上げたところではずれて逃げられました。「すごい! いるいる!」と勇んでもう1投げすると、またすぐぶるぶる来てかかったのは、今日の本命のガヤ君でした。昨日に引き続き、またいきなり入れ食いのスタートです。

 あぐりはルアーでやるということで、エコギアにシュリンプ型のワームを着けてスタート。ルアーはさすがに入れ食いというわけにはいきませんが、いいサイズのガヤを釣り上げました。「この魚食べられるの?」とあぐり。「おいしいらしいよ」これが関東の堤防だったらクーラー持ってきて持ち帰って食べるのになあ。残念です。

 木こりも負けじとブラーを投げます。面白いようにアタリがあって、次々に釣れます。楽しいなあ。こんな釣り場は東京近辺じゃあ考えられない。まさにあそび釣りのパラダイスです。
 あぐりと竿を交換して、木こりはジグヘッドに白のカーリーテールを着けて投げます。投げたとたんにあぐりが「釣れた!」というので自分の竿をその場に置き竿にして、あぐりの魚をはずします。魚をリリースして自分の竿を持ち上げると、もうなんだか手ごたえ。上げてみたらガヤがかかってました。ルアーの置き竿に魚がかかる、なんてのは木こりの釣り人人生の中でも初めてのことです。すっごいなあ。恐るべし、羅臼!

 ときどき、マスらしい大きな魚影(かシャケかわからないけど)が群れをなして通りかかります。さっきの「釣れない」と言っていた釣り人はマスを狙ってたのかなあ。そうじゃなきゃ釣れないわけないですからね。マスの群れは木こりたちの仕掛けには何の興味も示しませんでした。ほっとするような残念なような複雑な気持ち(^^;

 木こりはまた餌竿に持ち替えて、ガヤ君たちに遊んでもらいます。堤防の右や、左や、沖目や、足元と、いろいろと投げてみます。どこに投げてもガヤ君こんにちはです。しばらくしてガヤと違ったずっしりした手ごたえがあったと思ったら、クジメが釣れました。アイナメかホッケかと思ったのですが、尾鰭の形からして多分クジメでしょう。うれしいうれしい。次に、今度はぎゅんぎゅんとハデに突っ込む引きを見せて、予想通りカレイがあがってきました。これだけ釣れると、釣りって2時間くらいで堪能しますね。東京湾だと釣行3回分くらいの釣果じゃないでしょうか(^^;

ウニ丼で腹ごしらえ
 午後1時頃になって、なぜかエサもルアーも急にアタリがなくなりました。潮どまりでしょうか(あとで調べたら、小潮ながらちょうど干潮時間でした)。いい具合にお腹も空いてきたので納竿としました。お昼は羅臼港近くの浜田商店で、木こりはウニ丼、あぐりはイクラ丼を食べました。
 今夜もオホーツク海側のウトロ温泉泊なので、午後はまた知床横断道路を戻ります。途中、羅臼川で渓流釣りの予定。釣行記は、「北海道の釣り-Vol.3-」で!

あぐり

釣具屋のおかあさんが言ってたようにホントに「がやがや」釣れて楽しかったです(^^)