北海道の釣り -Vol.1-

日 時

2003年9月上旬(14:00〜16:30)、晴れ

場 所

道東某河川(北海道)

釣 果

オショロコマ(5〜20cm)×たくさん、ヤマメ(14cm)×1

釣行記

斜里岳眺めながらドライブ
 木こりとあぐりは3泊4日で北海道旅行に出かけました。今回は知床半島と釧路湿原を回ろうという計画です。羽田を朝8時の便で発って女満別空港でレンタカーを借り、初日は道東某河川を目指します。実は旧友のT君が7月にそこでフライフィッシングをやったそうで、ものすごい入れ食いだったという話を聞いて、知床直行をやめてその川に寄ることにしました。T君の希望により場所はシークレットにさせてください。すみません。天気にも恵まれて斜里岳を眺めながらのドライブは快適そのものです。

 山道にかかったらヤブからキタキツネが出てきて、停車すると笑顔で近寄ってきました。観光客の車と見るとエサをもらいに来るようです。いわばキツネの世界の「営業」ってところかな。観光客が野生動物にみだりにエサをやるのはよろしくないですね。とはいえ、動物好きの木こりとしては、キツネが出てくるのはうれしいうれしい。

支流のポイント
 やがて山道は某河川沿いになって、本流支流をまたぐ橋がいくつか現れます。そのうちのひとつ、支流にかかる橋で車を降りて見下ろしたら、さっそくいくつかの魚影が見てとれました。T君に教わった場所はたぶんもうちょっと下流のはずだけどとりあえずここで釣ってみよう、ということで、橋のたもとの駐車スペースに赤のコルトを置いて、ウェーダーに履き替えて入渓しました。橋下がちょっとした淵になっていて、そこに小さめの魚がたくさんいます。

 T君に「熊よけの鈴は必需品」と言われていたので、大きな音のするカウベルを買おうと思っていたのですが、当日までに用意できず、結局置き竿のアタリを取るために竿先につける小さな鈴しかありません。それでは心もとないので登山の緊急用に持っていたホイッスル(交通巡査か体育の先生みたいな鋭い音のするやつ)をときどき「ピリリッ!ピリリッ!」と鳴らしながら仕掛けを用意します。なんかとても変(^^;

 まずは東京で買ってきたブドウ虫でエサ釣りを試しました。仕掛けを投入すると小さい魚影がワっとばかりに突進してきます。旅先ではすべてリリースするので、鈎を呑まれないように早目にアワセますが、そうするとなかなか乗りません。確実に掛けようとすると飲まれてしまいます。かなり生存競争が激しくてエサと見れば奪い合いというような状態のようです。最初に釣れたのは写真のようなチビちゃんオショロコマでした。それからはもう入れ食いモード突入。小は5cm、大でも18cmくらいですが、あぐりと交代で釣りました。 それからルアー竿を用意して、あぐりはルアー釣り、木こりはエサ竿に毛鉤を結んだりしていろいろな釣り方で遊びました。いくらでも、いつまででも釣れ続きます。いったい渓流魚の警戒心というものは、どこに行ってしまったのでしょう。

 ルアーはなかなか鈎がかりせず、入れ食いとはいきませんでしたが、写真はあぐりが管理釣り場以外で初めてルアーで釣り上げたオショロコマです。実はこの時点で木こりはまだ自然渓流でのルアー釣果は無し。先を越されました。早速木こりもルアー竿を借りてやってみます。スプーンを上流に投げてアクションをつけながら下流に引きます。数匹のオショロコマが追いすがって。ルアーのスピードが弱まった瞬間にパクっと食いつきます。一部始終を見釣りできるので、面白い!

 しばらくこのポイントで遊びましたが、ひとつ残念だったのは、そのへんになんと生のタコ(海にいる蛸)がたくさん捨ててあったことです。きっとここでキャンプフィッシングを楽しんだ人がいて、その残飯なのでしょうが、こういうことをするとヒグマを呼び寄せてしまいます。そのうちのひとつがあぐりのルアーにかかりました。山奥の渓流でルアーでタコ釣ったのはあぐりくらいのものでしょう。写真も撮りましたが気味が悪いのでここには載せません(^^;

 このポイントではヤマメ(現地ではヤマベ)も1匹つれました。このヤマメにはよく見ると大きな歯型の傷跡がついていました。キツネかクマに咥えられて辛くも逃げ出したヤマメなのでしょうかね。今日また釣り人のエサ食ったのにリリースしてもらえたわけですから、とことん強運の持ち主です。

本流のポイント
 さて、いよいよ支流が本流に流れ込む地点に移動です。今回、ウェーダーを持ってくるかどうかで悩んだのですが、本流への移動ではやはり役に立ちました。ウェーダーを持つためにおおきな荷物がひとつ増えますから、飛行機での旅ではちょっと考えちゃうわけです。 でも、今回は持ってきてよかったと思います。

 ただ、スニーカーのままでもある程度の釣りはできますから、観光の途中でちょっと遊ぶだけなら、ルアー竿1本とスプーンをいくつか持ってくれば十分です。ルアーなら呑まれないので、鈎のカエシをつぶしておけばリリースもしやすくて好都合です。

 本流は白い石の川原が広々としていて素晴らしい景色でした。「橋の下で遊んでないでもっと早くこっちに来ればよかったね」とあぐりが言いました。こんなに美しい渓の風景はめったにありません。ここの流れは一見、瀬の連続のようですが、けっこう水量もあってよく見ると水深のある溝もあります。いかにも魚がいそうな風情。羆もいそうな風情(^^; 橋から離れて人工的なものが視界になくなって、なおさらそういう感じがするのかもしれません。ホイッスルを時々ピッピと鳴らします。

 やはり本流のほうが少しサイズがよくて20cmに達するものも出ました。ルアーは、スプーンでもミノーでもスピナーでもワームでも、何でもOKです。フッキングさせるのはテクニックが要りますが、とりあえず何を投げても反応はします。適当にルアーチェンジしていれば、魚たちはいちいち新鮮な反応を見せてくれます。 長時間やってると、たぶん釣れすぎちゃってつまらない、という感じになるのだと思いますが、日ごろ釣れなくてストレスがたまっている関東の渓流釣り師にとって、ここは間違いなくパラダイスです。

 時間を忘れてしばらく遊びましたが、夕方になるとクマちゃんたちも活動開始するだろうし、これからまだ知床まで走らなければなりません。もっと移動してみたい気持ちを抑えて橋のたもとに戻りました。
 来た道を下って、オホーツク海を見ながらいよいよ知床半島入り。今日からウトロ温泉のホテルに2泊します。いきなりオショロコマ入れ食いを堪能させてくれた道東の自然に感謝!

あぐり

やっぱり北海道は自然がいっぱいあるなーと思う初日でした。