三崎港花暮岸壁小物釣り

日 時

2003年3月中旬、晴れ、北の風やや強

場 所

三崎港花暮岸壁(神奈川県)

釣 果

ウミタナゴ(20cm×1、17cm×1)、ハゼ(16cm×1、10cm×1)、メゴチ(15cm×1)

釣行記

真冬並みの寒さと強風。さてどうする?
 3月になったのでそろそろ2003年遊び釣りシーズンインかな、と思ったのですが、なんだか真冬の寒さと強風が連日続いています。とはいえ、せっかく平日に休みが取れたので、どこに何を釣りに行こうか、あれこれ考えました。3月1日解禁の渓流に行くか、鹿島港か、ボート釣りか、釣堀のコイか……。しかし、天気予報は「晴れ」だけど「北よりの風が強い」とのこと、風に吹かれては渓流やボートはだめ、コイ釣りもウキが定まらないと楽しい釣りになりません。となると岸壁か堤防かな、ってことで、ネットでいろいろ検索してみたら、ウミタナゴは冬から春先までがシーズンとのこと、三浦半島の長井や荒崎なんかがメッカのようです。よし! それじゃあ、朝ゆっくり出て、お昼すぎからちょこっとウミタナゴ釣りをやろう! ということで、三浦半島に出かけることにしました。

まずは長井港松崎堤防へ様子見
 朝8時すぎくらいにゆっくり家を出ます。首都高湾岸線で横浜方面へ向かい、幸浦経由で横浜横須賀道路の衣笠で降ります。今日は活きエサの徳丸がやってないようなので衣笠ICそばの横須賀釣餌センターに寄ります。ウミタナゴ狙いなのでアミコマセとオキアミ付け餌、それからジャリメも買って小田和湾方向に向かいます。

 長井港に着いたのは9時半過ぎ、家から1時間半くらいで着いてしまいました。右側の堤防(松崎堤防っていうのかな、県営住宅があるところ)は近くに車も置けるし、近くの公園にトイレもあります。以前、何度かここにある仮屋ボートを使ったことがあります。相模湾越しに富士山も見えています。

 様子を見ようと、手ぶらで堤防に上がってみました。堤防は足場もよく、海面から高すぎず、周囲は岩礁帯、海草が茂っていて、いかにもウミタナゴがいそうな様子です。ただ、風はかなり強く、釣り開始するにはちょっとツラい感じ。水はきれいに澄んでいますが魚影は見えません。なんか釣れそうな雰囲気ではありません。「三崎に行こうか。通矢なら背中に建物背負ってるから風よけにもなるし。三崎で磯料理でも食べて風がおさまったら始めよう」ということで、長井を後にして三崎港に向かいました。

「トロと休日」の舞台でマグロ料理
 神奈川県水産総合研究所のページにある「東京湾口海況図」によると、三崎は長井あたりに比べて水温が2℃ほど高いようです。三崎に着くとなんだか風も穏やかで気温も高い感じです。これは移動して正解だったかな。花暮岸壁に車を置いて、釣りをしている人たちの様子を見ていると、いいサイズのカレイなんかも揚がってるようです。こりゃ期待が持てそうだ。

 三崎の町はPS2のゲーム「トロと休日」の舞台です。ゲームをやってから遊びに行くと「あ、あの場面だ!」っていう場所を見つけることができて楽しい。今回はあまり時間がなかったのですが、こんどゆっくり「トロと休日の舞台をめぐるツアー」をやってみようかな。ゲームの中で、プレイヤーと猫のトロは「三崎館本館」という旅館に滞在するのですが、それが写真の建物です。すぐ横にある「三崎館支店」で早めのお昼に磯料理を食べました。焼霜丼(やきしもどん)というマグロのトロを少し炙ってタタキにしたメニューがあって、これはものすごく美味でした。

花暮岸壁で釣り開始
 腹ごしらえを済ませて、前回行った通矢堤防を偵察に行きました。そしたら、漁師さんが岸壁で海草を干しているところで、車が置ける状態ではありません。花暮岸壁に戻ってちょうどお昼くらいに釣り開始です。天気は良くて風も穏やかです。真冬の寒さを覚悟してきていたのですが、思いがけずぽかぽか陽気でうれしくなりました。

 岸壁中央付近に陣取って、まずはコマセに海水かけて溶かしにかかります。渓流竿に浮き釣り仕掛けをセットしてオキアミを小さく切ってつけます。コマセスプーンでガリガリやって、溶けたコマセをまきます。これはウミタナゴ狙い。ちょい投げ竿も準備。これはジャリメをつけてとりあえずヘチに落とします。そのへんをあぐりに任せて、木こりは投げ竿のセットにかかります。ジェット天秤にカレイ仕掛けつけて、岩イソメを大きめに着けて船道めがけて投げ込みます。投げ竿は放っておいて、しばらくはコマセガリガリとヘチの底狙いをやってましたが、なかなかアタリが来ません。まさかのボウズか……

 しばらく反応のないまま時は流れて、1時間ほど経ってからでしょうか、チョイ投げをやっていたあぐりが「プルプル来た!」 しばらくすると「つれた、釣れた!」と騒いでます。見るといいサイズのハゼの一荷でした。やったー、ボウズのがれ。そのあと、あぐりはメゴチを追加して、さらに「なんか大きいのがかかった!」の声で、ついに本日の本命「ウミタナゴ」を釣り上げました。コマセのほうには小イワシらしい群れが寄って来たのでサビキも下ろしてみたのですが、針を咥える魚はついに現れませんでした。トリックサビキ持って行けばよかった。

木こり不振
 その間、木こりは全然釣れません。投げも、チョイ投げも、反応なし。哀れに思ったあぐりが「この竿でやってごらん」「この辺でアタるよ」「キス釣りと同じようにゆっくり引いて来るの」といろいろレクチャーしますが、釣れたのは5cm程度のチビハゼだけ(^^; さすがにこれはリリース。とほほな状態が続きます。

 こりゃアカンというわけで、投げの仕掛けを「ボウズのがれ」に変更。これは投げといっても胴突きスタイルなので根魚以外も狙えます。仕掛けの上にフロート玉が着いているので、投げ込んでおけば仕掛けは海底で立っていてくれるという仕組み。これを沖目に投げて数分おきにサビいてしばらく置く、を繰り返しました。何度か繰り返すうちに、サビこうとしたら手元にガクガクとアタりが来ました。カレイか?! と思ったのですが、どうもカレイ特有の突っ込むような力強い引きがありません。上がってきたのはいいサイズののウミタナゴでした。おぉ! 本命ゲット! なんとか面目が保てたかな。上バリに食ってましたから「ボウズのがれ」にしたのが正解、ってことでしょう。

 ところで、この釣り場はなぜか老人のギャラリーが多い(というより三崎の町自体、老人の姿が目立ちます)。通りすがりにバケツ覗いて「釣れてないの? あっちの人はずいぶん釣ってるらしいよ」っていう余計なお世話な人がいるのですが、釣果はクーラーに入れてますからバケツで判断しないでくださいっ!(^^; それから、「何か釣れました?」って聞かれて「ウミタナゴとか」って言ったら「なぁんだ、タナゴぉ」って吐き捨てるように言うのもやめてください(^^; こっちはそれが本命で来てるんだから。まったく、最近の老人は口の利き方がなってません(-o-;

久しぶりの釣魚パーティ
 夕方になって雲が出て、風も出てきて寒くなって来たので4時すぎに納竿、家路につきました。いつものように大黒P.A.で休憩して職場にお土産を買ったりして、渋滞する首都高を帰宅しました。

 いつものように木こりが魚をおろして、あぐりがから揚げに揚げます。ウミタナゴも20cmくらいになるときれいに三枚おろしができます。メゴチはやっぱり美味、ウミタナゴもホクホクで淡白な春の味わいでした。これまで冬眠状態だったけど、貧果ながらもあそび釣りのシーズンインを感じさせる釣行でした。

 釣りは魚との知恵比べや釣魚料理だけでなく、天気のことや風のこと、水温や海流、潮時など、自然のさまざまな要素が全部関係してくる「自然をまるごと味わう」ことができる趣味だなーという思いを強くしました。

あぐり

初めて木こりより釣果がよくて、釣り方を教えちゃいました。イエ〜イ(^O^)v