遠征!南伊豆ボート釣り

日 時

2002年8月下旬(07:00〜12:30) 曇り後晴れ 

場 所

妻良湾・子浦(静岡県)

釣 果

ソウダガツオ(30〜40cm)×8、マダイ(24cm)×1、マダイ(14cm)×1、カンパチ(23cm)×1、カイワリ(15cm)×1、その他、小カサゴ、極小マダイ、メゴチ。

釣行記

あこがれの南伊豆ボート釣り
 8月の末、木こりとあぐりは3泊4日で南伊豆に旅行に行きました。最初の2泊は貸し別荘、最後の1泊は民宿です。その2日目、木こりが以前から本で読んで憧れていた、妻良湾のボート釣りをする予定です。妻良は北・東・南の三方を山に囲まれ、西側には2本の離岸堤が設置された湾で、風波にはめっぽう強そうな地形、しかも水深もあって半島先端に近く、回遊魚の期待も大きいという、まさに理想的なボート釣り場です。

 早朝、下田の貸別荘を出て30分ほどの行程で妻良湾に到着。下の写真は妻良港側から子浦港方面を望んだところです。6時過ぎに子浦漁港の拡日丸(こうにちまる)ボートに到着しました。手続きしてポイントを聞いて、コマセ2個にアオイソとジャリメ1個ずつ買いました。ボートは3500円ですがアンカーの保証料に1000円で4500円払います。帰りにアンカーを返しに来ると1000円帰してくれるというシステム。 駐車場から荷物を浜に運んでくると、ボート屋のおばさんがアンカーを持って来て、浜に裏返してあったボートを用意してスノコを入れてくれます。使うたびにアンカーロープはずしてスノコもはずしてるのですね。丁寧というかのんびりムードというか、東京近郊とはかなり違った雰囲気があります。ボートに荷物載せてしばらく待っていましたが、それっきり誰も来ません。アンカーロープ結んだり、ボートを水際に出したりはどうやらセルフサービスのよう。自分でアンカーロープ結んだのは初めてでした。釣り糸と同じ結び方で「ま、いいか」という感じで岸払い。いろいろもたついてたので、結局、7時ごろのスタートとなりました。

実釣開始! しかし……
 子浦漁港の堤防を回りこんで右側の岩礁帯沿いにボートを進めます。ときおり魚のボイルに鳥が集まっているのが見られます。「おー、やってるやってる」期待が持てそうです。『海のボート釣り場完全ナビ』の山立てポイントを参考に根際とおぼしきところにアンカーを入れます。20mのアンカーロープが2mほどしか残りません。結構深い。今日の狙いはソウダガツオ、できればイナダも、というところです。
 コマセがまだカチカチなので、そういうこともあろうかと持ってきた常温保存可能なコマセパックを開いてサビキで実釣開始。底まで沈めてコマセを撒いて、少し巻き上げて待ちます。しばらくこれを繰り返しましたが、反応なし。アジの子1匹来ません。キス仕掛けも投入してみましたが、これも反応なし。朝イチでバホバホ釣れる気でいたので、ちょっと拍子抜けがしてしまいました。

うろうろ……
 仕方がない、移動。もっと岸よりの岩礁の上に移動しました。岩礁帯にアンカー下ろすのはちょっと心配ではありますが、ここのアンカーは丸い自然石なので、根がかりしてしまう危険性は少なそうです。ここで、あぐりはコマセ撒いて、木こりは底狙いです。しばらくすると、木こりの竿にクンクンッという小気味いいアタリが来ました。でもあがってきたのはメゴチ。「南伊豆まで来てメゴちゃんはないでしょー」即リリース。またしばらくしたら今度は突っ込むような鋭いアタリ、あがってきたのはマダイです。しかしちっちゃい。5センチあるかないかという記録的な小ささでした。これもリリース。またしばらくしたら同じような突っ込むアタリで、さっきより少し大きなマダイ。といっても15センチあるかなしかの寂しいサイズです。「来た!」今度はあぐりの竿にもやっと反応が出ました。かなり強い引きです。「なんだ、ヒイラギだ」ってがっかりしましたが、後で図鑑を調べたらこれがカイワリ。しかし、はるばる南伊豆まで来て15センチの魚じゃ盛り上がらないなあ。ということでまた移動。

 今度は右側の堤防内側です。アンカーロープは完全に出切ってしまいます。水深20m。ロープ垂直ではボートは完全には止まらないかもしれません。コマセ撒く撒く、キス仕掛け引く引く……しかし全然反応なし。他のボートも移動を繰り返している様子。やっぱり釣れてないのかなあ。今夜の夕食は小魚だけか? 不安をかかえてまた移動。もういちど岸よりの、さっきよりも浅い岩礁帯に動きました。でも、やはり全然だめ。ハオコゼかと思うような小さなカサゴが1匹来ただけ。もう、どうしていいのか……もうお昼近くになっています。

時合が来た!
 コマセも残り少なくなってきました。あとは浅場に移ってキス釣りにチェンジするしかないかな、と思いながら、その前に最初のポイントに戻って最後のチャンスに賭けることにしました。『海のボート釣り場完全ナビ』の山立て写真を参考に、正確に位置取りをします。仕掛けを下ろすと、本では18メートル立ちくらいのはずなのに、12〜3メートルしかありません。山立ては難しいや(^^;
 しかしあぐりは「ここは釣れる気がする」となんだか強気です。まあ、ここで最後のチャンスに賭けよう。サビキの鈎に1本おきに冷凍の付けエサ用オキアミをつけて残り少ないコマセをちびちび撒いていると、木こりの竿にギュンという大きなアタリ。いい引きを味わわせてくれたのは25cm近いマダイです。やった! やっと南伊豆らしくなってきたぞ。するとあぐりの竿にも鋭い突込みがあって、これは大物だ! と思わせる引きで上がってきたのはこれも25cm近い小カンパチ(ショゴ)でした。高級魚のオンパレード!

 いったん反応がなくなったものの、またしばらくすると、「来た!」というあぐりの声。あぐりの竿が海中に突っ込んで左右に走っています。去年、網代で体験したソーダガツオの走り方そのものです。待望のグッドサイズの青物がかかりました。しかしすぐ、「あ、はずれた」バラシです。こういうアタリがポツリ、ポツリと来ますが、もうひとつ続きません。しかもバラシばかり。「悔しいなあ」なんとかならないかと、木こりは思い切ってタナを上げてみることにしました。これまでは、底近くを狙っていたのですが、5m沈めたところでコマセを振って少し巻き上げてみました。するとこれが的中。竿先がギュン! と海中に突っ込んで走り回ります。ソウダだ! 片手ではとてもやりとりできません。ドラグがジージーなります。なんとか寄せて両手で竿を頭上に上げるのですが、竿が短くてサビキしかけが長いので、満月のように引き絞られると魚体が水面に出てきません。あぐりがタモ出しをします。するとタモにサビキの鈎の1本がひっかかりました。そのとたん! プチン。逃がしてしまいました。竿の弾力が効かなくなるとその瞬間に切れてしまいます。悔しい! すぐ仕掛けを替えて同じタナに入れます。またすぐ竿先がギュン! やはり苦しいやりとり、魚体がなかなかあがってきません。あぐりが思わず仕掛けをつかんで引き上げようとした瞬間、また「プツン」です。1.5号のハリスではだめなのか。「だからつかんじゃだめだってば!」思わず木こりは声を荒げます。

 これじゃあ魚があがらない。もっと短くて太い仕掛けでないとだめだ。タックルボックスをごそごそやって、2本鈎胴突きの短いカワハギ仕掛けを取り出しました。ハリスは3号です。サブマリン型の大きなコマセカゴの下に40cmくらいの短い仕掛けでは、あまりにバレバレでちょっと不安ではありましたが、ものは試し。これにオキアミつけてコマセちょこっと入れて4〜5mのタナにおろします。
 あぐりも同じタナに仕掛けを下ろします。しばらくするとあぐりが「来た!」すごい横走り。ボートの前方向に走ってしまって押さえられません。「アンカーにからむ!」木こりが竿を受け取ってやりとり、なんとかやっとタモ入れに成功しました。やったー!! 何匹もバラしてやっとアゲた1尾は感動的です。

 ここからソーダガツオの入れ食いモードに突入するのでした。(後半へつづく)

後半へつづく(入れ食い編)