南伊豆ボート釣り――入れ食い編(後編)

釣行記

前編よりつづく
ソーダ入れ食い
 カワハギ仕掛けはアタリでした。海の暴走族ソウダにとっては仕掛けが不自然だろうが、糸が太かろうが、コマセかご直下であろうがなんだろうが食いには無関係のようでした。「どけどけどけ〜! パラリラパラリラ!」と突っ走ってきて、通りすがりにオキアミをがばっと咥えてギュン! です。2本鈎だから160cmの短竿がしなっても、ウデをまっすぐ上に伸ばせば魚体を水面に浮かせられます。サビキのように余計な鈎がタモに絡まったりもしません。これで順調にタモ入れできるようになりました。

 釣り上げたらすぐナイフで脊髄をブツっと活け〆めして、海水を入れたバケツに逆さまに突っ込んで血抜きします。そしてすぐに仕掛けを投入。次が釣れたら、また活け〆めして、バケツへ。血抜きの済んだ魚は海水と保冷剤の入ったクーラーに移します。そしてまたすぐ仕掛けを投入。ギュン! この繰り返しです。ただ、1尾かけるごとに安物の振り出しボート竿はがたがた、リールの取り付け部分やガイドをしっかり締めなおさないといけないので、結構手間取ってしまいます。もうちょっとしっかりした竿ほしいなあ。手返しよく釣れば短い時合もきっちり捉えられるのだけど……。

 数匹上げたところでいったんアタリが遠のきました。コマセが下に散ったかな、と思って今度はタナを7〜8mに下げたら、また的中。再び釣れ始めました。あぐりもタナを下げて待望の一尾を釣り上げます。ほんの20〜30分ほどの間でしたが、入れ食いを堪能しました。最初に数尾バラしているので、実際にタモいれできたのは8尾でしたが、それでももうクーラーは満員です。これ以上入りません。
 ソーダを釣り上げたときの動画です。495KBあります。WMVファイルを再生できる環境の方はどうぞご覧ください。

堪能!
 ウデ疲れた! もう堪能です。いまさらキス狙いやる気にもなれず、もうお昼も回ったので納竿とすることにしました。海岸に戻ると、ボート屋のおじさんが今度はサポートしてくれました。写真正面の白い壁の家の奥が拡日丸です。アンカーを持って行くとおばさんが1000円返してくれて「収穫はありましたか」。木こりが「ソーダガツオ入れ食い」と言うと、「もうちょっといいのが釣れると良かったねー」と言ってマルソウダは角煮にして食べるといいと教えてくれました。まあ、地元の人にはソウダはさして価値がないのかもしれませんが、木こりたちにとっては、十分うれしい大物です。今日は興奮の大物大会でした。

貸し別荘へ帰って
 東京に帰るのはまだ明後日、このままソーダを持って帰るわけにもいかないので、まずはクール宅急便を呼びました。今晩2匹食べることにして、木こりとあぐりの両方の実家の両親に3匹ずつ送ります。電話で聞いたらクール宅急便用の箱というのは特に用意してないということなので、ソーダが入る大きさのボール箱を持って夜に集荷に来てもらうことにして、その間にエラと内臓だけ取ってビニール袋にパックして冷蔵庫のフリーザーに入れて冷やしておきます。この貸し別荘は冷蔵庫が大きくてフリーザがちゃんとあるし、ガスコンロがついているので、いろいろできます。ただ、「とんでもない傾斜地^^;」に建っているので駐車が大変、チェックイン、チェックアウトのときに事務所まですっごい坂道を登ることになるのが難点。

 晩御飯はマルソウダの角煮と、マダイ、カンパチの刺身、それからカイワリ、小ダイの焼き魚です。コンビニで買ったエダマメと発泡酒を添えて、豪華なラインナップで南伊豆の夜は更けていくのでした(^^;

 翌日、マルソウダはつつがなく両方の実家に到着し、魚自体にも問題なかったとのこと。クール宅急便はトラック自体が冷蔵庫なので、発泡スチロールの箱や保冷剤などを用意しなくても、ビニール袋を2重にしてガムテープで止めてボール箱に入れただけで十分なのですね。これからも遠征のときは使えるナ。

観光スポット
 今回は3泊4日の予定なので、釣り以外にもあちこち観光して回りました。
 石廊崎灯台を見に行ったら、岬の先端の石室神社に「海上安全」のお札というのがありました。これからのボート釣行に持っていこうと早速購入しました。岬巡りの遊覧船に乗ったら、磯釣り師がいましも獲物をタモ入れしてるところや、トビウオが海面を飛ぶ姿が見られました。トビウオはジャンプする、という感じではなくてかなり長い時間、はばたいて飛ぶことができるものだということを初めて知りました。しかし、この日は台風接近の影響で外海は波が高く、船酔いする木こりは30分ほどの遊覧でもやはりちょっと頭が痛くなりました。やっぱり沖釣りはできそうにないな(^^;

 石廊崎ジャングルパークは、木こりが小学生時代に来たことがあるところですが、なんだか古びて寂れた感じで、記憶の中にある豪華施設とはずいぶん違ったおもむきでした。歳とったんですかね。当時はいなかったミーアキャットが面白いしぐさをみせてくれました。またピラルクーの餌付けというのがあって、これは大迫力でした。

 下田海中水族館では、イルカやアシカのショーをやってましたが、これは台本の面白さの点では油壺マリンパーク(01年12月の釣りの釣行記に書いてあります)の勝ち、でもドルフィンタッチのできる浜などの施設はたいしたものです。フンボルトペンギンの水槽で帽子を振って見せると、ペンギンたちが興奮して集まってきます。これまで、黒の折りたたみ傘(閉じた状態)をパタパタ振るとペンギンが興味を示すのはあちこちでやって知ってましたが、白い帽子でも来るんですね。

 また、おりしも皇太子、秋篠宮両御一家の下田の須崎御用邸滞在とぶつかっていました。下田の街は警察の警備で大変。駅前の東急ストアに買い物に行ったらちょうど両御一家ご到着ということで道には人目見ようという人であふれていました。ストアの駐車場が入れなくて隣のロープウェイの駐車場に車を置かせてもらって、ミーハーなあぐりが「見たい!」というので急いで買い物して、出てきたらちょうど駅から車列が出てきたところでした。雅子さんが笑顔で手を振っているのがチラっと見えました。

磯遊び
 田牛(とうじ)の海岸にも立ち寄って磯遊びをしました。ここはサンドスキーができる砂の大斜面があることでも有名です。写真のような手ごろなタイドプールがあちこちにあって、小さな魚やカニの姿を見ることができます。ズボンをめくってサンダルになって、ヤドカリや小魚、カニ、エビなどをタモですくって遊びました。 少年時代にこういう遊びしてなかったなあ。今頃になって少年時代の「ボクの夏休み」を取り戻そうとしているのかもしれません。
 モリを持った若者が近づいてきて「何を狙ってるんですか?」とたずねられました。「いや、ちっちゃい魚がいるもんだから^^;」といったら「あ、そうすか」ってがっかりしてました。木こりたちがあんまり熱心に獲物を探しているので、何か食えるものでも居ると思ったのかもしれません。獲物は釣りのえさにするくらいの大きさです(^o^;

堂ヶ島
 帰りは西伊豆の海岸線をドライブ、堂ヶ島の「らんの里」に寄りました。園内は広くて、暑い季節にはちょっとバテますが、ランはみごと。また、らんの香りのアイスクリームなどもあって、これも夏休み気分を盛り上げてくれます。
 園内の展望デッキからは西伊豆の海がきれいでした。東伊豆とは水の色が全然違いますね。いつか、西伊豆でも竿を出してみたいものです。

あぐり

始めはどうなるかと思ったけど、今年もソウダ君に会えてよかったです(^^)ソウダ君に負けないようにもっともっと技術と体力をupしなくちゃ!と思うあぐりでした。