釣りは大人のドロんこ遊び

日 時

2001年11月上旬(5:00am〜12:30) 曇りのち雨 北寄りの風のち強風

場 所

鹿嶋港ラジオポート(茨城県)

釣 果

カワハギ(20cm)×1、フグ(18cm)×1、メゴチ(10cm)×1

釣行記

ひさしぶりの釣行
 このところ、雨に降り込められたり仕事が忙しかったりで、しばらく釣りに行ってない。天気予報は午後から雨の予報だけど、木こりは一人で出かけてみることにしました。今回はゴアテックスの雨具をしっかり持って少々の雨は覚悟の装備で、でもまあ降り出すまでの午前中の釣りと思って、鹿嶋港ポートラジオに向かいました。ポートラジオは車横付けできるのはいいのですが近くにトイレがないのであぐりと一緒のときには向かないのです。
 早朝5時すぎのポートラジオ入り。さすがにこの時期になると5時はまだ薄暗い。竿の先に発光剤を付けて前夜からやってるらしい釣り人がけっこういます。中央水路側でやってる人に話を聞いてみると、キスが少しとハナダイが釣れたそうです。ハナダイには「お!」と思いましたが、内心「アジが10匹」くらいの答えを期待してたので、ちょっとがっかり。

しぶ〜い予感
 ともあれ、ボート竿にブラクリ仕掛けを付けて中央水路側で「ヘチ占い」をしてみましたが、反応なし。住金側でやってみても、反応なし。仕掛けをキスのテンビンに換えてずるずる引きずってみても、アタリはもちろん根がかりすらしません。なんだか、岸壁際はがらーんとなんにもない砂地って感じでシラケわたっています。どうも嫌な予感。
 かといって、今日は雨が降り出すまでの釣りの予定なので、これから時間のかかる場所変えはしたくありません。まあ、しょうがない、やせても枯れてもここは鹿嶋港。なんとかなるだろうと、とりあえず中央水路側の岸壁の中央あたりの空いてるところに三脚を立てました。急いでサビキ竿出して、次に投げ竿にいつもの「ボウズのがれ」をセットして水路に30mくらい投げて、ついでにブラクリもヘチぎわに落として、3方狙いの欲張り釣法を開始しました。
 風はけっこう吹いていますがそう冷たい風ではなく、真冬のつもりで着こんだウェアは暑過ぎるくらい。しばらくは反応のないまま待ちの釣りが続きました。目の前をときどき大きな船がタグボートに引かれて港に入ってきます。

投げ竿にアタリが
 投げ竿を投げては置き竿にしているうちに、竿先にびくびくとアタリが来ました。お! 嫌な予感はしたけど割と簡単にボウズのがれか! と竿を手に取ると確かに魚の手応え。大きく合わせてリールを巻く。手にびくびくと魚の力を感じます。やったやった! ……しかし、上がってきたのはフグでした。やっぱ今日はダメそうだわ。
 木こりの一番嫌いな「ボウズ」の3文字が脳裏をよぎり始めた午前7時ごろ、また投げ竿の先がガクガクと揺れています。結構派手な反応です。聞いてみて、大きくアワせると乗った様子。リール巻ぁくまく。 この投げ竿はかなりがっちりしてて、小物がかかってもあまり手に感じることがない武骨な代物なのですが、その竿ががくがくします。これはカレイだ、間違いない! 十分に引きを楽しませてもらって抜き上げると、……カレイではなくカワハギ、それも結構良型です。お腹はぷっくりと膨らんで肝が詰まっている様子。やった! 木こりのもっとも嬉しい釣果はカワハギかもしれません。なにしろ初めての海釣りのとき第1投でかかったのがカワハギで、それ以来のカワハギファン。よっしゃ、今夜は肝あえだ! そろそろあぐりが起きる時間なので家に電話して釣果報告。

しかし……
 しかし、その後はまたアタリひとつない状態。おまけに早くも雨がポツポツ来ました。最近の天気予報、午後から雨ってときはたいてい朝から降ってる気がする。防寒具を用意のゴアテックスの雨具に着替えて、釣り続行。でも、シーン。ずっとシーン。1回だけ、ボート竿に小さなアタリがピクっとあって、10センチくらいの元気のないメゴチがかかりましたが、それだけ。
 雨はだんだん強くなってきます。風も強くなってきました。雨具は着ていても、袖口やすそや、生地の縫い目から雨がしみこんできます(最近防水スプレーしてなかったしなー)。しかも履いてるのは砂町銀座商店街で買った2000円のスニーカー。これは大失敗。靴下までぐっしょりです。周囲の釣り人も一人またひとりと撤収していきます。アタリひとつないまま昼近くなってしまいました。

公共埠頭に転進、しかしタコのばらしだけ
 びしょびしょになりながらも、気持ちはなんだか不思議に高揚しているのを感じていました。なんだかこのまま帰るのが惜しいような気がしてきました。カワハギ1匹だけだしなあ。そこで、この勢いで対岸の公共埠頭に回ってみることにしました。雨具のズボンを履いたまま運転席のシートにタオル敷いて運転、30分かけて公共埠頭に着くと、風雨はいっそう強くなって、釣り人の姿はほとんどありません。車の中で雨止みを待っているのか、様子を見ているらしい釣り人の車が2、3台見うけられます。
 こちとらどうせびしょ濡れだい! ってことで、早速、サビキ、投げ、ヘチの三方狙い態勢を準備して横殴りの雨の中、小一時間頑張ってみました。何度目かに投げ竿を聞き上げてみると重たくて、でも魚信はないのでそのまま巻き上げてみたら、実はタコ。しかしゴミか何かが引っかかったんだと思ってアワセを入れてなかったので、タコが水面に出たところでピュっと逃げられてしまいました。これは貧果の中では痛恨のバラしでした。
 時計は正午を回って、それでも雨脚は収まる様子がないので、さすがにあきらめて納竿としました。道具を片付けて車に乗りこみ、靴下だけは履き替えを持っていたので替えて靴は履かずに運転して、前から気になっていた「じゃんがらラーメン鹿嶋店」に行ってラーメンを試食(アジはいまいち^^;)して帰ってきました。ラーメン屋に入る時、さすがに裸足で入るわけにもいかないのでスニーカーを履きましたが、一瞬で靴下ぐっしょり。ひじから先、ひざから下、それと股のあたりも濡れてて気持ち悪いことおびただしいものでした。

 教訓:雨の可能性があるときは、上から下まで、着替えは完璧に用意しておくこと。靴も忘れずに(^^;)

肝あえ最高!
 唯一の釣果カワハギは定番のキモアエにしました。キモは熱湯に5秒ほど浸けて湯通しし、まな板でよく叩いてみりんと酒で味を整えます。身は5枚におろして糸造りにし、肝とあえて食卓へ。どろりとした肝の脂でこりこりした身にこってりとした味わいが加わります。カワハギもこれくらいの大きさがあると、あぐりと二人で食べてもまずますの食べごたえがありました。

 今日の釣行はまさにびしょびしょになって遊んだって感じで、貧果ではあったものの、まるで幼いころのドロんこ遊びの後のような奇妙な爽快感がありました。釣りは大人のどろんこ遊びだ、と再認識した一日でした。

あぐり

私まだ平べったい魚釣ったことないから、今度は私がカワハギ釣ってご馳走してあげたいね。